ぽかぽか

つくらず、飾らず、つらつら、自由に

ACPのすすめ

 

ご存知ですか?

ACP

アドバンス・ケア・プランニング

 

「将来に向けて

 あらかじめ早い段階から

 意思決定能力が低下したときに備えて

 本人が語ったり書いたりしたものにより、

 本人自身の意思が尊重され

 家族や医療スタッフも、

 本人にとって最善のケアが

 選択されると思えるような対話のプロセス」

 

要するに

自分がしっかりと判断できるうちに

それができなくなったときに備えて

自分の望む医療やケアを明確にしておく。

 

周囲の人にも伝えて、

できれば書面で記しておく。

 

そのようなプロセスのこと、です。

 

介護業界で働くようになって

この最期の医療・ケアについて

意思表示できなくなったご本人の代わりに

判断を迫られるご家族の苦悩も見てきました。

 

「何もしてほしくないと言っていたから」と

ご本人の言葉を尊重して

何もしないことを選んだら

「何もしないなんて、あなたは残酷だ」

事情を知らない遠くに住む親戚に責められて

涙するご家族

 

義理の親を看ているけれど

息子だった夫を亡くし

どう決断すればよいかわからない…

相談する相手もなく、悩むご家族

 

本人の意思は書面に記されているけれど

ずいぶん前のもので、

今は意思が代わっているかも知れない…

書面の通りでよいかどうか…

医療者の違う意見も聴くと揺れてしまい

決断することができないご家族

 

 

自分じゃない人の最期の選択をするって、

勇氣が要りますよね。

 

「自然のままがいい」というけれど

何をもって自然と言うか

人によって考え方が違ったりするし

 

自然のまま

食べられなくなったらそのままで。

と言いつつ、

日に日に痩せ細っていく姿を見るのはつらいし

 

もしかしたら本人は苦しいんじゃないか

何もしないのはひどいことなんじゃないか

 

そりゃあ、揺れます。

 

だからこそ、

自分の意思を明確に示しておく。

大切な人と、何度も何度も話し合っておく。

 

それってすごく大事。

 

いつ、何が起こるかわからないから。

早すぎるなんてことはない。

 

若いうちから、

元氣なうちから、

大切な人と何度も話し合っておく。

 

ぜひ、みんなに実践してほしい。

 

 

しかも、具体的にね。

 

たとえば、「胃ろうはしてほしくない」

と言っていたとして

それは、"身体を傷つけたくないから"なのか

"不自然に生かしてほしくないから"なのか

 

違ってくるんですよ。

その後の選択が。

 

身体を傷つけたくないだけならば

経鼻栄養※は受け入れる。ということになる。

 

不自然に生かしてほしくないならば

経鼻栄養も当然違うし、

脱水を緩和させるための点滴も違う、となる。

 

※経鼻栄養

 鼻から胃に管を通して栄養を入れること

 

 

万が一のことなんて

縁起でもないから話したくない。

そんな氣持ちもわかるけれど

 

いざというとき困るのは

そばにいる大切な人であり

望まない医療やケアをされてしまう自分だから

 

命と向き合うひとつとして

話し合っておきたいね。

 

 

ぽかぽか